アラブ首長国連邦蹴球巡礼記2017

 3/22 -T-:最初の中東決戦
 3/22 -U-:巡礼潮流-アブダビ編-
 3/23 -T-:巡礼潮流-アルアイン編-
 3/23 -U-:アルアインに咲く華
 3/23 -V-:イカレちまったぜー!!
 3/23 -W-:Rock Over JAPAN
 3/24 -T-:サヨナラin the Rain  

 3/22-T-:最初の中東決戦




現地時間5:00過ぎ。
日本との時差は5時間なので、都合12時間半かけて決戦の地・アラブ首長国連邦にやってきた。

私がこの一戦の為に航空券を予約したのは約半年前、アウェーでのタイ戦を終え、空港で飛行機を待っている時だった。
その時まで今回の最終予選のUAE代表の試合は、全てアブダビの「アル・ジャジーラ・ムハンマド・ビン・ザーイド・スタジアム」で開催&予定されていた。 そして、何気なくそのスタジアムを調べたとき、往年のマクラーレンのようなカラーリングとその造形に一瞬にして心奪われ、会社に休みの確認をする前に飛行機の予約をしてしまっていた。

それから数か月、アブダビでの開催を確信していた私は、それを前提に予定を立て、ホテルを予約していた。

それは
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一日目:アブダビ着⇒アルアイン移動&観光→アブダビ移動→宿泊
二日目:アブダビ観光&試合観戦&宿泊
三日目:アブダビ→ドバイ移動&観光⇒アブダビ発
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という予定であり、「⇒」の部分はエティハド航空の利用者が乗車できるシャトルバスを予約していた。

ところが、今年の1月18日。
UAEから発表された対日本代表戦の開催スタジアムはまさかの「ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム」。
まさかまさかのアルアイン”だった。

個人的にはこのスタジアムも訪れる予定だったし、一度でいいから試合も観戦してみたいと思わせる素晴らしいスタジアムだったのでそれはそれで嬉しいのだが、 これまでに立てた予定はほぼ役に立たない。
まず、真っ先にホテルを取り直さなければならない。
速攻でアブダビのホテルをキャンセルし、アルアインでホテルを取り直す。 ここでちゃんと一応保険でキャンセル無料の所を予約していた私はエライと思う。
ただ、残念ながらアルアイン市内にはアブダビで予約していたようなお手頃価格のホテルが見つからず、宿泊代は一気に倍増。 ただでさえ、この時には3月に香港、中国への遠征も決めていたので余計な出費がかさむことになる。

そして、予定も組み直す。
ここで問題になってくるのが、予約してしまっていた「エティハド航空のシャトルバス」だった。
これを利用すれば無料で前日にアルアインに入ることは出来る。ただし、試合前日の昼前にはアルアインに到着してしまい、次の日の試合観戦まで何をするか?という問題と、 どうしてもここまで来たのだからアブダビのスタジアムも見学したいという気持ちがあった。

と、いうわけで、予定を
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一日目:アブダビ着→アブダビ観光→アルアイン移動&宿泊
二日目:アルアイン観光&試合観戦&宿泊
三日目:アルアイン→ドバイ移動&観光⇒アブダビ発
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に変更。
無料で何の苦労も無くアルアインに行ける手段は無くしてしまったが、自分の希望を優先してしまったのでしょうがない。 とりあえず、当日無断キャンセルは失礼だと思い、エティハド航空にアルアイン行のバスのキャンセルする旨の電話を入れた。

 私:「あのー、アルアイン行のバスを予約したんですけど、キャンセルでお願いします。」
担当:「あ、別に電話とかいらないです。予約していても乗る乗らないは自由ですから。」
 私:「……。」

超いい加減!

さすが金持ち国営航空会社。おおらかというか、気前がいいというか、金持ち喧嘩せずを絵に描いたような対応である。 と、いうわけで、とりあえず予約はそのままとなり、当日ギリギリまで選択肢を残せる事になった。これはこれで、もし雨など降った場合は都合がいいので助かる。

ちなみにこの時、一応会社員の私は日々の業務を熟しつつ、 同じ3月の香港遠征、中国遠征に加え、4月の韓国遠征も同時進行で進めていたので頭の中はぐっちゃぐちゃ…。
海外旅行を同時に4つ計画し、その全ての行程、航空券&ホテルの手配、チケットの確保、旅先の情報収集も行うとなると無理もないと思う。
普通の会社員では中々やらない事だし、まずやろうとも思わないだろう。
そういう意味では、また一つ、人として少し成長したように思う。

と、前置きが長くなったが、とりあえず無事にアブダビに到着。
この時間に動いてもすることがないので、夜が明けるまで空港内で時間をつぶす事にした。




現地時間7:00過ぎ。
少し仮眠を取っている間に、夜が明けていた。

とりあえず、手持ちの金を現地通貨AEDに両替するが、想像していた以上にレートが悪い。
出発前に調べた最新のレートが1AED=30.3円だったのでまぁ「1AED=約33円位、5万円=約1500AED」位かなぁーと予想していたが、 元々レートが悪い上に諸々の手数料を取られて「5万円=1288.3AED、実質1AED=38.8円」という高さである。 予想よりも200AED以上少ないのだ。
時間があったので他の両替所も回ってみたが、空港内の両替所はほぼ同じ。
何かもう、いきなりテンションが下がってしまった。

とりあえず、渋々両替を終え、ホテル代を差し引き、実際に使えるお金を計算する。
ホテル代が二泊で約750AEDなので、残り538.3AED。しかも、あれこれ考える前に購入してしまったお菓子と飲み物代を引くと、残りは約500AED。 一日平均約166AEDしか使えない。ここから食費、交通費、その他諸経費を全て捻出しなければならないのだ。

勿論、一応予備の日本円は持って来ているが、正直今回の旅の予算は5万と決めていたし、ここでこれ以上追加の両替をするのは正直気に食わない。
こうなったら意地でもこの金額で乗り切ってやろうと思う。



ただ、そう思うと同時に当初の予定を熟すのに本当に大丈夫なのか?という不安も出てきた。
幸いにも、エティハド航空のアルアイン行のシャトルバスの予約はまだ生きている。
このままアルアインに行って、今日一日アブダビで使用する予定だった交通費を節約した方がいいのではないかとも思えてきた。

バスの出発時間である現地時間8:00ギリギリまで悩みに悩んだが、 「アブダビのスタジアムを見たい!」という己の欲求に正直であるべきだと思い至る。なぁに、最悪足らなければ食費を削ればいいし、移動は歩けばいいだけである。 まぁ限度があるというのは当然だが…。

結局、あれこれ悩んだが、当初の予定通り最初の目的地「シェイク・ザイード・ビン・スルダン・アル・ナヒヤーン・モスク」に向かうことにした。



最初の目的地を「シェイク・ザイード・ビン・スルダン・アル・ナヒヤーン・モスク」にしたのには訳がある。
それはこのモスクがアブダビ最大の目玉観光地であり、空港から市内に向かう途中にあって、しかも徒歩圏内に訪問予定に入っているスタジアムもあったからだ。
更にオープン時間も9:00からと比較的早めで、入場無料とくればもう文句の付けどころがない。 観光はあくまでついでに”をポリシーとする私には非常に都合が良かったのである。

と、いうわけで早速移動開始。
タクシーを捕まえ、乗り込み、行き先を告げると同時に運転手は車を走らせた。

ただ、この時点で私は一つ大きなミスをしていた。

世の中には絶対に信用してはならないものが3つある。
・お年玉を預金して置くという親
・綺麗毎と理念をやたらと前面に押し出す会社
・空港にいる愛想のいいタクシー運転手
である。

残念ながら、このタクシーの運転手は元気一杯で明るく非常に愛想がいい。そして、案の定メーターを回さずに走り始め、私にあれこれ質問してきた後、高速道路に乗った時点で料金を言ってきやがった。

はぁ…、もう本当に気が滅入る…。

一応、UAEのタクシー運転手は資格制で、インドやパキスタン系が多いらしく、身分表示とメーターを回さなければ違法となるらしい。
ただ、旅行者だとそんな事を知らない人も当然いるわけで、こいつ等にとっては言い値で吹っ掛ける事が出来て、 しかもリスクもない実に美味しいカモとなる。 まぁ、要するに舐められてるわけである。

私にも「どこから来たのか?」「何日ぐらいいるのか?」と聞いた後、料金:60AEDを告げて来たので間違いなく確信犯だろう。 ただ、私もこの国でタクシーに乗るのは初めてなので、もしかするとこれが適正なのかもしれない。だが、恐らくその可能性はかなり低い。多分倍ぐらいだろう。

完全にムカついていた私は、その後も話しかけてくる運転手を完全無視。運転手が嫌がるのも気に留めず、 メーターを回さず運転しているところを顔もバッチリ写しながら明るく無邪気に動画撮影。 そして畳みかける怒涛の関西弁。これまでの経験上、何故か外国人には関西弁で捲し立てると結構な確率で慄き、恐れられる。
まぁ「それは外国人だけじゃない、関西人以外全員だ!」という声も聞こえてきそうだが…。

今回の運転手も例に漏れず、急に黙り込んでしまい、当初の元気がなくなった。そして、とうとう目的地に到着するまで一言も話さなかった。

出発から15分。タクシーは目的地に到着したので私は料金を確認する。
運転手は最初に言った手前引けなくなっていたからか、ただ単に厚かましいからかはよく解らないが、取り合えず「60AED」と言ってきやがった。

その瞬間、私は怒涛の勢いで抗議する。

メーターを回していない事、証拠を残している事、通報するという事、全て身振り手振りを交えながら関西弁で捲し立てる。 結果、運転手は完全に意気消沈。何か必死に訴えてきているが、正直私には全く理解できない。
そもそも、これ以上こいつに時間を取られるのは癪である。
個人的にはメーターを回さないタクシーに金は払う必要はない、と思ってはいるが、そこは私も人の子。必要以上に取られるのは絶対に嫌だが、タダ乗りするのも気が引ける。。

と、言う訳で、実際の適正価格がどうかはわからないし、もしかしたらこれでも十分多いかもしれないが、とりあえず30AED払ってタクシーから立ち去った。



モスクへの入口は、この世の全ての贅を集めたかのような煌びやかで荘厳な佇まいとは裏腹にまさかのプレハブ小屋。 そのあまりにも簡素で質素な造りとギャップに最初はここが入口だとは気づかず、てっきりトイレだと思った位である。

中にはいると、手荷物&身体検査が行われる。 タバコ&ライター等の小さい持ち込み禁止物は没収されるが、 大きな荷物を持っていると、持ち込み禁止物を持っていてもそのまま鍵付きの部屋で預かってくれた。また、入場するのに相応しくない服装の人向けの服も貸してくれる。

●シェイク・ザイード・ビン・スルダン・アル・ナヒヤーン・モスク









2007年に完成した4万人の参拝者を収容することが出来る世界最大級のモスク。
伝統的なイスラムのデザインと近代的な建築技術を用いて造られ、 白と金色の二色を基調とした82個のドーム、1000本以上の円柱、そして世界最大のペルシャ絨毯で彩られている。
また、礼拝堂本堂には直径10m、高さ15m、重量9t以上といわれる世界最大のシャンデリアが空間を埋めている。
観光地というのは往々にして写真で見たのと全然違ったりしてガッカリすることも多いが、ここは完全に当たり。 本当に来てよかった!と心から思える場所である。
見るべきところはそれほど多くないかもしれないが、広大な敷地の中で角度のよってその表情を変える様を探すだけでも個人的には十分楽しめた。 改めて、これで無料は本当にすごいと思う。

ビバ!金持ち!金持ち最高!!

落ち込んでいた気分も少しだけ回復したので、このまま気分よく次の目的地「シェイク・ザイード・スタジアム」に向かうことにした。


(「3/22-T-:巡礼潮流-アブダビ編-」に続く・・・)


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